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2013年04月26日

『もずやと学ぶ日本の伝統織物』第20話

【精好仙台平】  宮城県仙台市

『植物染料による特殊な和染めと生糸を全く撚らずに平のまま染色して織り込む技法は日本でも珍しいものである。経糸は二本引き揃えて一本にして織られる。織上がった後もその引き揃えた二本の糸に撚り箇所がなく、反物の端から端にいたるまで平に揃ったままになっている』

<製造工程>

①原糸の選定
昔は陸奥の絹、金華山を用いたが、今では宮城県産の繭を使い、太めの生糸を使う。

②糸の精練技術
仙台平は生練染色をするが、科学的な精錬剤は一切用いない。わら灰をフルイにとおして灰練にしてこれを使う。この練り加減が難しい。

③染色方法
染めは植物染料をもって行っている。仙台地方では採集できる矢車・附子・漆の葉・五倍子・刈安・藍・ヤマモモ・栗木皮など、多種類の植物を使って、おもに黒と茶系との色に染める。

④製織方法
重要無形文化財の袴地はすべて投ヒの手織で織られる。織り方は二度打ち織法による。織加減は永年の経験にようるもので説明は難しい。

(以上引用)

この精好仙台平、謡曲・仕舞の舞台で着けるのに手に入れようと、メーカーに電話したことがあるんですよ。

震災前でした。

出す所が決まっているとかで、卸してもらえなかったんですが、小売りで買うとかなり高価みたいですね。

でも、たしかに作品の内容は素晴らしいらしく、シワにもならないそうです。

仕舞の時、ひとくさり謡ってから立ち上がるのですが、その時、袴のシワを後ろにいる地謡の人が直してくれるんです。

それが、普通の決まり事の動作の様になっているほど、袴というのはシワになるんですね。

硬いしゴワゴワしているので、シワになるのが当たり前なんですが、シワになっまま舞っても格好つかないですよね。

でも、シャキッとしていないと、いけないだろうし。

ということは布が柔らかでいて腰が強くないといけない。

足で踏んだ讃岐うどんの様でないといけないわけですよね。

どんなにしたら、こんな風合いの織物ができるのか解りませんが、袴を着ける機会のある人ならいつかは欲しいですよね。

私みたいに太っていると、着物の裾がだんだん広がってくるので、袴を着けたいと思うことも多いのですが、行灯や馬上だと、何事か!?という感じになりますよね。

何かの本で読んだ事があるのですが、昔の町人は町人であることの誇りとして袴を着けず、前掛けを正装とした人もいたんだとか。

野袴など気楽に着けられるモノもいいと思うのですが、袴の中には長着が入っているわけで、素材と仕立て方を間違えると、モッチャリしちゃいますよね。

仕立て方は色々アイデアがあるのですが、素材的にどんなものが良いのか、まだ良くつかめていません。

既存の袴地となると、決まった感じになるでしょうし。

冬になると足下が寒いし、裾の乱れも気になるので、早く何とかしたい課題のひとつです。






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Posted by 渡辺幻門 at 22:48│Comments(0)日本の伝統織物
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