2011年06月12日
もずやと学ぶ染織マーケティング<21回目>
7章 消費者行動の理解
7−1消費者対応の考え方
この章ではマーケティングの中の『消費者行動』というジャンルに入っていきます。ここが一番面白いかも知れません。
私の学んだ大学では文学部にも消費者行動の講座があって、当時、担当されていた井関利明先生の講義は欠かさずに聴講していました。というのは、この消費者行動というのは心理学の範疇にはいり、心理学は文学部の管轄だからです。
もし、マーケティングに興味を持ち、消費者行動をもっと深く学んでみたいと思うなら、心理学事典を購入されることをお薦めします。マーケティングの分析において心理学は欠かせない枠組みで、今後、いろんな事を考える上で必要になると思います。
さて、本題に移りましょう。
○ 『消費とは人々が製品・サービスを購入し、使用し、廃棄する全プロセスだ』
とテキストには書いてありますね。また、この章のNavigationにはこうあります。
『工場を出た段階での製品は、まだ半製品なのです』
=製品は、顧客の手に渡った段階で初めて完成品となる。
つまり、作家のみなさんが『消費者の手に渡る』事を意識しない限り、いくらマーケティングを学んでもなんにもならない、と言うことです。
○ マーケティングにおける最大の関心は『自社の製品・サービスを消費と結びつけること』にあるからである。
まさにそういう事です。
☆ マーケティング・コンセプトと販売コンセプト
マーケティング・コンセプト
『消費者を理解し、消費者に喜ばれる製品・サービスを作る事を第一とする』という発想を企業経営や事業運営の基本的な指針とするという考え。
販売コンセプト
『企業がつくりだした製品・サービス、あるいは企業が有している技術や能力をいかに売るか』というもの。
一般には、マーケティングといえば下の販売コンセプトだと思われているようですが、本当は違うのです。
私が染織家のひとたちに理解して欲しいことは、まさにこの『マーケティング・コンセプト』なのです。
みなさんが仮需=流通の中間需要しか意識していないうちは、なんの解決策も生まれないのです。
眼を向けるべき対象は消費者であり、みなさんが造った作品は、消費者に購入され、着用され、ひいては廃棄されるまで着つくされてこそ、完結するのです。
そこに性根を据えないから、問屋の言葉に右往左往し、粗造乱売を繰り返し、そのあげくには莫大な流通在庫を抱え、価格崩壊を招くような事態になるのです。
消費者を個で捉える、あるいはかたまりで捉える。
みなさんが思っているほど、問屋はかしこくありませんし、情報も持って居ません。そして、問屋も小売店もあなたの敵の味方なのです。
ですから、自分の事は自分で決めるのです。
☆ インプット-アウトプット分析とメカニズム分析
インプットーアウトプット分析
マーケティング・ミックスの変更、あるいは所得水準やライフスタイルの変化という刺激に対して、消費者の行動がどのように変化するかを捉える。
そのメカニズムは無視=ブラックボックス
メカニズム分析
刺激と反応との間をとりもつプロセスの作業を解明する。
○ 問題を特定し、解決へと導くにはメカニズムに関する知識が欠かせない。同様に、消費者とのインプットーアウトプット関係を改善したり、修復したり、新たに創造したりしようとする際にもメカニズム分析が必要となる。
つまり、インプットーアウトプット分析は、消費者行動をパターン化して捉え、メカニズム分析はそれが何故そうなったのかを分析し、一般化するという事です。
どちらも戦略的に有用なことですが、非定型的な消費者行動を理解するにはメカニズム分析が必要です。
とくに、染織の場合、マーケティングリサーチが難しいですから、消費者の心理の分析というのが非常に大切になってきます。
その心理を単純にしか捉えられないから、ただ単に安売りをしたり、雑誌に載せるだけ、商品に似つかわしくない業者に売りさばく、などの事が出てくるのです。
自分たちがどのような消費者を対象としているのかを、明確化し、その人達の心理をきめ細かく分析して、作品づくりはもちろん、流通などのマーケティングミックスを選択しなければなりません。
沖縄染織の場合、それなりの最終価格になるわけですから、消費者はそれなりの富裕層になるわけですから、決してマス=大衆市場を考えてはなりません。着物市場でかつ高額品市場、そしてカジュアル市場なのですから、本当に小さな小さなマーケットなのです。そしてこのマーケットはどんどん縮小している。
そんな市場に大量の規格品を投入すれば、市場からあふれかえるし、富裕層は見向きもしなくなることは自明だったのです。
富裕層は自分だけのもの、人が着ていないものをほしがるのです。
しかし、産地・組合は生産効率向上のために、デザインの規格化をしようとした。これがそもそもの間違いです。
デザインを無視して、機能で内地物に勝てるのは沖縄に置いては宮古上布だけしかありません。
だのになぜ、そんな暴挙をしたのか?
消費者をみないで、生産量を上げることしか考えなかった。そしてそれを助長したのは造れば取る問屋が居たことです。
ですから、もうここで気づかなければいけないのです。
誤解しないでください。『節を曲げてまで売れる物を造れ』と言っているのではありません。
あなたの作品を良いと思ってくれる消費者はどんな人で、その人に喜んでもらえる作品を作り続ける事、こそが大事なのです。
私が良くないと思っても、好きだという消費者はいます。その逆ももちろんあります。
自分の作品の良い所、悪いところを知り、作品を愛してくれる人はどんな人かを知り、その人を満足させる作品を世に送り続ける。そして、その輪をどんどん広げていけばいいのです。
あなたが良いと思って造った作品は、かならず他にも良いと思ってくれる人が居るはずです。だから、自分で良いと思う物を手を抜かないで作る事です。そして、そこに『消費者の笑顔と満足』を思い浮かべるという作業を付け加える事です。
こCS(=Customer Satisfaction)の概念を常に忘れないで、あなたの作品を愛してくれる消費者を決して裏切らない。
それは品質・デザインはもちろん、流通にも責任を持って、へんなお店で売られたり、不当に安く売られないようにするべきです。
それも、すべてマーケティングなのです。
7−1消費者対応の考え方
この章ではマーケティングの中の『消費者行動』というジャンルに入っていきます。ここが一番面白いかも知れません。
私の学んだ大学では文学部にも消費者行動の講座があって、当時、担当されていた井関利明先生の講義は欠かさずに聴講していました。というのは、この消費者行動というのは心理学の範疇にはいり、心理学は文学部の管轄だからです。
もし、マーケティングに興味を持ち、消費者行動をもっと深く学んでみたいと思うなら、心理学事典を購入されることをお薦めします。マーケティングの分析において心理学は欠かせない枠組みで、今後、いろんな事を考える上で必要になると思います。
さて、本題に移りましょう。
○ 『消費とは人々が製品・サービスを購入し、使用し、廃棄する全プロセスだ』
とテキストには書いてありますね。また、この章のNavigationにはこうあります。
『工場を出た段階での製品は、まだ半製品なのです』
=製品は、顧客の手に渡った段階で初めて完成品となる。
つまり、作家のみなさんが『消費者の手に渡る』事を意識しない限り、いくらマーケティングを学んでもなんにもならない、と言うことです。
○ マーケティングにおける最大の関心は『自社の製品・サービスを消費と結びつけること』にあるからである。
まさにそういう事です。
☆ マーケティング・コンセプトと販売コンセプト
マーケティング・コンセプト
『消費者を理解し、消費者に喜ばれる製品・サービスを作る事を第一とする』という発想を企業経営や事業運営の基本的な指針とするという考え。
販売コンセプト
『企業がつくりだした製品・サービス、あるいは企業が有している技術や能力をいかに売るか』というもの。
一般には、マーケティングといえば下の販売コンセプトだと思われているようですが、本当は違うのです。
私が染織家のひとたちに理解して欲しいことは、まさにこの『マーケティング・コンセプト』なのです。
みなさんが仮需=流通の中間需要しか意識していないうちは、なんの解決策も生まれないのです。
眼を向けるべき対象は消費者であり、みなさんが造った作品は、消費者に購入され、着用され、ひいては廃棄されるまで着つくされてこそ、完結するのです。
そこに性根を据えないから、問屋の言葉に右往左往し、粗造乱売を繰り返し、そのあげくには莫大な流通在庫を抱え、価格崩壊を招くような事態になるのです。
消費者を個で捉える、あるいはかたまりで捉える。
みなさんが思っているほど、問屋はかしこくありませんし、情報も持って居ません。そして、問屋も小売店もあなたの敵の味方なのです。
ですから、自分の事は自分で決めるのです。
☆ インプット-アウトプット分析とメカニズム分析
インプットーアウトプット分析
マーケティング・ミックスの変更、あるいは所得水準やライフスタイルの変化という刺激に対して、消費者の行動がどのように変化するかを捉える。
そのメカニズムは無視=ブラックボックス
メカニズム分析
刺激と反応との間をとりもつプロセスの作業を解明する。
○ 問題を特定し、解決へと導くにはメカニズムに関する知識が欠かせない。同様に、消費者とのインプットーアウトプット関係を改善したり、修復したり、新たに創造したりしようとする際にもメカニズム分析が必要となる。
つまり、インプットーアウトプット分析は、消費者行動をパターン化して捉え、メカニズム分析はそれが何故そうなったのかを分析し、一般化するという事です。
どちらも戦略的に有用なことですが、非定型的な消費者行動を理解するにはメカニズム分析が必要です。
とくに、染織の場合、マーケティングリサーチが難しいですから、消費者の心理の分析というのが非常に大切になってきます。
その心理を単純にしか捉えられないから、ただ単に安売りをしたり、雑誌に載せるだけ、商品に似つかわしくない業者に売りさばく、などの事が出てくるのです。
自分たちがどのような消費者を対象としているのかを、明確化し、その人達の心理をきめ細かく分析して、作品づくりはもちろん、流通などのマーケティングミックスを選択しなければなりません。
沖縄染織の場合、それなりの最終価格になるわけですから、消費者はそれなりの富裕層になるわけですから、決してマス=大衆市場を考えてはなりません。着物市場でかつ高額品市場、そしてカジュアル市場なのですから、本当に小さな小さなマーケットなのです。そしてこのマーケットはどんどん縮小している。
そんな市場に大量の規格品を投入すれば、市場からあふれかえるし、富裕層は見向きもしなくなることは自明だったのです。
富裕層は自分だけのもの、人が着ていないものをほしがるのです。
しかし、産地・組合は生産効率向上のために、デザインの規格化をしようとした。これがそもそもの間違いです。
デザインを無視して、機能で内地物に勝てるのは沖縄に置いては宮古上布だけしかありません。
だのになぜ、そんな暴挙をしたのか?
消費者をみないで、生産量を上げることしか考えなかった。そしてそれを助長したのは造れば取る問屋が居たことです。
ですから、もうここで気づかなければいけないのです。
誤解しないでください。『節を曲げてまで売れる物を造れ』と言っているのではありません。
あなたの作品を良いと思ってくれる消費者はどんな人で、その人に喜んでもらえる作品を作り続ける事、こそが大事なのです。
私が良くないと思っても、好きだという消費者はいます。その逆ももちろんあります。
自分の作品の良い所、悪いところを知り、作品を愛してくれる人はどんな人かを知り、その人を満足させる作品を世に送り続ける。そして、その輪をどんどん広げていけばいいのです。
あなたが良いと思って造った作品は、かならず他にも良いと思ってくれる人が居るはずです。だから、自分で良いと思う物を手を抜かないで作る事です。そして、そこに『消費者の笑顔と満足』を思い浮かべるという作業を付け加える事です。
こCS(=Customer Satisfaction)の概念を常に忘れないで、あなたの作品を愛してくれる消費者を決して裏切らない。
それは品質・デザインはもちろん、流通にも責任を持って、へんなお店で売られたり、不当に安く売られないようにするべきです。
それも、すべてマーケティングなのです。
Posted by 渡辺幻門 at 20:42│Comments(0)
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