2011年03月30日
またも劣化コピー品
昨日、喜如嘉の芭蕉布工房へ行ってきました。
平良美恵子さんとお話ししたのですが、座るやいなや写真を出されました。
これです。



前に紅型証紙問題で私が糾弾した業者が中国で織らせた物だそうです。
同じ図案は『平良敏子の芭蕉布』という本に載っています。
工房で撮らせてもらった画像です。


この中国製の絣帯は喜如嘉の芭蕉布とは書かれていません。
でも、これを見られた方はどう思いますか?
この業者は前に芭蕉布でも証紙偽造の嫌疑がかかったのですが、
平良さんの温情で取引を続けていたのです。
それなのに、と非常に憤慨されています。
私はこの写真を見たときに、やった業者の名前を一発で当てましたし、
証紙を貼り替えて、あるいは、仕立てあがり品としてリサイクル市場で売られる可能性が非常に高いと思いました。
中国産の苧麻で中国で織ったのなら、原価は想像できます。
この業者は、自分の手から離れたら、それがどういう売られ方をしようが私は知らないと、自分があたかも被害者の
ような物言いをしている様ですが、そんな話が通るでしょうか。
少なくとも、沖縄に深く関わり、沖縄を愛している業者ならこんなことは出来ません。
喜如嘉の芭蕉布工房では、この業者との取引を一切停止するそうです。
では、消費者の方々はどうやって見分ければいいのか。
まずは、証紙です。そしてそれに伴う割り印。

あとは、糸のつなぎ目。芭蕉糸は機結びといって団子結びでつながれていくため、布の表面に無数に小さい結び目が出ます。
苧麻の場合は、ねじるだけなので、結び目は出ません。ここが大きな違いです。
喜如嘉の芭蕉布組合としては、この業者を公に糾弾しているのだそうですが、他産地は取引量を護りたいという事で、
決断を先送りにするのだそうです。
このような業者、このような商品がのさばる限り、この業界は決して良くなりませんし、伝統染織の灯は消えてしまいます。
あとこれも平良さんから提示されました。これは現品です。

芭蕉布そっくりですが、私が見れた一目瞭然、違うと解ります。
でも、素人にはなかなか見抜けないと思います。
まず、色が違う。平良さんが出してきたので、すごくよく染まっている本物だと思いましたが、
やはり違いました。

花芭蕉織と書いてありますが、芭蕉の糸はタダの一本も使われていません。
芭蕉布というのは、糸芭蕉から採られた繊維で作った布の事を言うのです。
この様な物を造らせる業者、そして知っていながらそのままにしている業者も同罪です。
すくなくとも、沖縄の染織を愛しているなら、決して許されない行為です。
業界の粛正は消費者の方々が安心してお求め頂くための最低条件です。
そして、それが、作り手の仕事を営々と続けられる事に繋がるのです。
上に挙げた商品が商品の内容にふさわしい価格で買えるなら、それはそれでよいではないかという意見もあるかと思います。
しかし、その積み重ねが悪貨が良貨を駆逐することとなり、結局本物が消えていったという歴史となってきたのです。
膨大な手間をかけて造られる芭蕉布は、本来ならもう消えてしまっている原始布です。
それを、なんとか平良さんを初めとする喜如嘉の人達で護っている。
その足を引っ張るような行為を、沖縄に深く関わっている業者が行っている事を私は絶対に許せない。
そして、それに荷担する業者も許せない。
消費者のみなさんは、どうぞ、注意なさってください。
業界の方々は、こういう商品を見られたら、どうぞ産地の末永い繁栄を想い、良心に照らして適切な判断をなさってください。
お願い致します。
平良美恵子さんとお話ししたのですが、座るやいなや写真を出されました。
これです。
前に紅型証紙問題で私が糾弾した業者が中国で織らせた物だそうです。
同じ図案は『平良敏子の芭蕉布』という本に載っています。
工房で撮らせてもらった画像です。
この中国製の絣帯は喜如嘉の芭蕉布とは書かれていません。
でも、これを見られた方はどう思いますか?
この業者は前に芭蕉布でも証紙偽造の嫌疑がかかったのですが、
平良さんの温情で取引を続けていたのです。
それなのに、と非常に憤慨されています。
私はこの写真を見たときに、やった業者の名前を一発で当てましたし、
証紙を貼り替えて、あるいは、仕立てあがり品としてリサイクル市場で売られる可能性が非常に高いと思いました。
中国産の苧麻で中国で織ったのなら、原価は想像できます。
この業者は、自分の手から離れたら、それがどういう売られ方をしようが私は知らないと、自分があたかも被害者の
ような物言いをしている様ですが、そんな話が通るでしょうか。
少なくとも、沖縄に深く関わり、沖縄を愛している業者ならこんなことは出来ません。
喜如嘉の芭蕉布工房では、この業者との取引を一切停止するそうです。
では、消費者の方々はどうやって見分ければいいのか。
まずは、証紙です。そしてそれに伴う割り印。

あとは、糸のつなぎ目。芭蕉糸は機結びといって団子結びでつながれていくため、布の表面に無数に小さい結び目が出ます。
苧麻の場合は、ねじるだけなので、結び目は出ません。ここが大きな違いです。
喜如嘉の芭蕉布組合としては、この業者を公に糾弾しているのだそうですが、他産地は取引量を護りたいという事で、
決断を先送りにするのだそうです。
このような業者、このような商品がのさばる限り、この業界は決して良くなりませんし、伝統染織の灯は消えてしまいます。
あとこれも平良さんから提示されました。これは現品です。
芭蕉布そっくりですが、私が見れた一目瞭然、違うと解ります。
でも、素人にはなかなか見抜けないと思います。
まず、色が違う。平良さんが出してきたので、すごくよく染まっている本物だと思いましたが、
やはり違いました。
花芭蕉織と書いてありますが、芭蕉の糸はタダの一本も使われていません。
芭蕉布というのは、糸芭蕉から採られた繊維で作った布の事を言うのです。
この様な物を造らせる業者、そして知っていながらそのままにしている業者も同罪です。
すくなくとも、沖縄の染織を愛しているなら、決して許されない行為です。
業界の粛正は消費者の方々が安心してお求め頂くための最低条件です。
そして、それが、作り手の仕事を営々と続けられる事に繋がるのです。
上に挙げた商品が商品の内容にふさわしい価格で買えるなら、それはそれでよいではないかという意見もあるかと思います。
しかし、その積み重ねが悪貨が良貨を駆逐することとなり、結局本物が消えていったという歴史となってきたのです。
膨大な手間をかけて造られる芭蕉布は、本来ならもう消えてしまっている原始布です。
それを、なんとか平良さんを初めとする喜如嘉の人達で護っている。
その足を引っ張るような行為を、沖縄に深く関わっている業者が行っている事を私は絶対に許せない。
そして、それに荷担する業者も許せない。
消費者のみなさんは、どうぞ、注意なさってください。
業界の方々は、こういう商品を見られたら、どうぞ産地の末永い繁栄を想い、良心に照らして適切な判断をなさってください。
お願い致します。
Posted by 渡辺幻門 at 09:00│Comments(2)
この記事へのコメント
ひどい、悪徳ですね、許せない。覚えておきます。こんなんしたらばちがあたりますよねー。
Posted by 朋さん at 2011年03月30日 20:26
朋さん
ほんとバチがあたりますよね。
正直者がバカを見る世の中にならないようにしましょう。
Posted by mozuya at 2011年03月30日 21:25
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