2011年10月31日
天然染料が最良の選択か
私は沖縄の染織品を扱っているので、植物染料、天然染料の話は良く出ますし、作り手さんから相談もされます。
お客様も天然染料・草木染めにこだわるというか、それが手放しで良い物だと想われている感じがします。
でも、それはちょっと問題なんです。
天然染料というのは、確かに微妙な味わいが出ますし、染めていても楽しい。
この色は、この植物から出たんですよ〜なんて、聞けば、『へ〜』なんて言って、物語性抜群です。
人間国宝の有名な染織家も本なんか出したりして、その物語を書いていますよね。
『命を染める』とか言って。
でも、本当は、天然染料というのは、危険性もはらんでいるのです。
何が危険かといえば、堅牢度です。
堅牢度といえば、日光、摩擦、経年など様々な要素に対して、どれだけ色が保てるか、という事ですね。
植物染料100%というとすっごく値打ちがあるようですが、危険性もすっごくあるわけです。
大学や染織試験場で結果の出たモノを使う分にはまだ安心ですが、そうでない植物を染料としているのは、
実用品を染める場合にはちょっと問題です。
ある有名作家の作品は、十数年後にタンスから出してみたら、すっかり退色していて白くなっていた、なんて話もあります。
樟脳ヤケなんていうのもあります。
私は、作家さんには、必要であれば、化学染料を併用するように勧めています。
天然染料でもバインダー加工などをすれば割と色落ちは止まる場合がありますが、通常、織物にはそういった加工はしませんよね。
だから、織物で事故が多いのです。
作り手のみなさんには、消費者のみなさんは30年、40年とその着物を愛用してくださるのだ、という前提で物作りに
取り組んで欲しいと想います。
趣味でやるなら自由にやれば良いのですが、他人に使ってもらう、それもそれなりの価格で購入される訳ですから、
そのあたりは、十分な配慮があってしかるべきです。
そして、消費者の方々には、やみくもに天然染料・植物染料がいい!とか想われないで、合理的な判断をおすすめしたいところです。
天然染料100%の場合は、基本的に退色の危険性があるということです。
染料と繊維、そして、加工方法との相性もあります。
芭蕉布は琉球藍と双想樹を多用しますが、これが退色したとは聞いた事がありません。
なんでかというと永年の実績と、きちんとした実証があるからだと想います。
化学染料だから、安物だとか手抜きをしているとか、作家にこだわりが無いとかいうのでは全く無いのです。
逆に、天然染料を使っているからといって、その人が責任ある仕事をしているかというとそれはそうとも言えないという事です。
織でもそうですね。
手織りだからと言って、必ずしも値打ちがあるわけではありません。
手織りにしか出せない味わいが表現されていて、初めて値打ちがあるのです。
つまり、素材やプロセスは手段であって、結果ではないし、表現でもない。
作家はどんな作品を作ろうかと考えて、その中でどんな手法・技法・素材を使うかを選択するのです。
玄人の中にも、機械織だからダメだとか、化学染料なんて良い物と言えないなんて言う人がいますが、
全然わかってない、としか言いようが無いのです。
動力織機や化学染料をつかう目的がコスト削減だと想っているからでしょう?
とんでもない間違いです!
動力織機や化学染料をつかった方が良いから使っているのです。
沖縄に花織がありますね。
あれを手織じゃなくて、動力織機で織ったとします。
そうするとどんな作品になるか。
なにかペタンとした味わいのない、冷たい織物になってしまう。
機械織のコピー商品を見たことのある人は解るでしょう?
あれはやっぱり、手で打ち込んで織らないとだめなんです。
紬もそうですね。ムッチリ感がでない。
でも、経糸のテンションをピンピンにして、スカスカ織ったのでは、手織の味は出ません。
手織だから良いというモノではないのです。
手織は手織りの味を出す目的があって選択された技法であるはずで、手織自体が目的ではありません。
結城紬がいざり機だといって、高機と変わらない織り方をしていたら、何の値打ちも無いのです。
動力で織れば、織段や織ムラが出にくく、キレイに織れます。
これを優先したい場合は動力の選択が良いのです。
手織・天然染料の世界にいる私が言うのですから間違いありません!
問題は、手織・天然染料を最高のもの、こだわりの証と言っている業者にあります。
割れない陶器・磁器が無いように、天然の素材・手段には、完璧ということはないのです。
天然染料で染められた作品を購入なさろうとするとき、ご心配なら販売員に聞いてみられると良いと想います。
『堅牢度は大丈夫ですか?』と。
『大丈夫です』と答えたら、
『なぜ大丈夫と言えるんですか?』とまた聞き直してください。
とくに、伝統染織の産地でない、個人作家のものは気を付けられた方が良いと想います。
伝統染織は伝統があって、ノウハウが蓄積されています。
沖縄の場合は、県立芸大があり、組合があり、そこで染料の研究もされています。
だから、事故が少ないのです。
長野でも、染織試験場で研究されているそうです。
これは、その土地で染織が盛んに行われて来た歴史があるからです。
そうでないところは、悪く言えば『個人のおもいつき』で染料を使っている場合がないとは言えません。
個人作家が乱立しつつある今、それを非常に危惧します。
着物や帯を構成する、素材、染料、技法を十分に味わってお召しになられる事をお勧めします。
人工だから、悪いモノでも安物でもない、ということなんです。
お客様も天然染料・草木染めにこだわるというか、それが手放しで良い物だと想われている感じがします。
でも、それはちょっと問題なんです。
天然染料というのは、確かに微妙な味わいが出ますし、染めていても楽しい。
この色は、この植物から出たんですよ〜なんて、聞けば、『へ〜』なんて言って、物語性抜群です。
人間国宝の有名な染織家も本なんか出したりして、その物語を書いていますよね。
『命を染める』とか言って。
でも、本当は、天然染料というのは、危険性もはらんでいるのです。
何が危険かといえば、堅牢度です。
堅牢度といえば、日光、摩擦、経年など様々な要素に対して、どれだけ色が保てるか、という事ですね。
植物染料100%というとすっごく値打ちがあるようですが、危険性もすっごくあるわけです。
大学や染織試験場で結果の出たモノを使う分にはまだ安心ですが、そうでない植物を染料としているのは、
実用品を染める場合にはちょっと問題です。
ある有名作家の作品は、十数年後にタンスから出してみたら、すっかり退色していて白くなっていた、なんて話もあります。
樟脳ヤケなんていうのもあります。
私は、作家さんには、必要であれば、化学染料を併用するように勧めています。
天然染料でもバインダー加工などをすれば割と色落ちは止まる場合がありますが、通常、織物にはそういった加工はしませんよね。
だから、織物で事故が多いのです。
作り手のみなさんには、消費者のみなさんは30年、40年とその着物を愛用してくださるのだ、という前提で物作りに
取り組んで欲しいと想います。
趣味でやるなら自由にやれば良いのですが、他人に使ってもらう、それもそれなりの価格で購入される訳ですから、
そのあたりは、十分な配慮があってしかるべきです。
そして、消費者の方々には、やみくもに天然染料・植物染料がいい!とか想われないで、合理的な判断をおすすめしたいところです。
天然染料100%の場合は、基本的に退色の危険性があるということです。
染料と繊維、そして、加工方法との相性もあります。
芭蕉布は琉球藍と双想樹を多用しますが、これが退色したとは聞いた事がありません。
なんでかというと永年の実績と、きちんとした実証があるからだと想います。
化学染料だから、安物だとか手抜きをしているとか、作家にこだわりが無いとかいうのでは全く無いのです。
逆に、天然染料を使っているからといって、その人が責任ある仕事をしているかというとそれはそうとも言えないという事です。
織でもそうですね。
手織りだからと言って、必ずしも値打ちがあるわけではありません。
手織りにしか出せない味わいが表現されていて、初めて値打ちがあるのです。
つまり、素材やプロセスは手段であって、結果ではないし、表現でもない。
作家はどんな作品を作ろうかと考えて、その中でどんな手法・技法・素材を使うかを選択するのです。
玄人の中にも、機械織だからダメだとか、化学染料なんて良い物と言えないなんて言う人がいますが、
全然わかってない、としか言いようが無いのです。
動力織機や化学染料をつかう目的がコスト削減だと想っているからでしょう?
とんでもない間違いです!
動力織機や化学染料をつかった方が良いから使っているのです。
沖縄に花織がありますね。
あれを手織じゃなくて、動力織機で織ったとします。
そうするとどんな作品になるか。
なにかペタンとした味わいのない、冷たい織物になってしまう。
機械織のコピー商品を見たことのある人は解るでしょう?
あれはやっぱり、手で打ち込んで織らないとだめなんです。
紬もそうですね。ムッチリ感がでない。
でも、経糸のテンションをピンピンにして、スカスカ織ったのでは、手織の味は出ません。
手織だから良いというモノではないのです。
手織は手織りの味を出す目的があって選択された技法であるはずで、手織自体が目的ではありません。
結城紬がいざり機だといって、高機と変わらない織り方をしていたら、何の値打ちも無いのです。
動力で織れば、織段や織ムラが出にくく、キレイに織れます。
これを優先したい場合は動力の選択が良いのです。
手織・天然染料の世界にいる私が言うのですから間違いありません!
問題は、手織・天然染料を最高のもの、こだわりの証と言っている業者にあります。
割れない陶器・磁器が無いように、天然の素材・手段には、完璧ということはないのです。
天然染料で染められた作品を購入なさろうとするとき、ご心配なら販売員に聞いてみられると良いと想います。
『堅牢度は大丈夫ですか?』と。
『大丈夫です』と答えたら、
『なぜ大丈夫と言えるんですか?』とまた聞き直してください。
とくに、伝統染織の産地でない、個人作家のものは気を付けられた方が良いと想います。
伝統染織は伝統があって、ノウハウが蓄積されています。
沖縄の場合は、県立芸大があり、組合があり、そこで染料の研究もされています。
だから、事故が少ないのです。
長野でも、染織試験場で研究されているそうです。
これは、その土地で染織が盛んに行われて来た歴史があるからです。
そうでないところは、悪く言えば『個人のおもいつき』で染料を使っている場合がないとは言えません。
個人作家が乱立しつつある今、それを非常に危惧します。
着物や帯を構成する、素材、染料、技法を十分に味わってお召しになられる事をお勧めします。
人工だから、悪いモノでも安物でもない、ということなんです。
Posted by 渡辺幻門 at 16:52│Comments(0)
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