オオサカジン

  | 羽曳野市

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2010年03月07日

沖縄から帰ってきました。

昨日の夕方、帰阪しました。

今回は、仕入れもしましたが、ほとんどは作り手さんとじっくりお話させていただくのに時間を割きました。

今回、初めて知ったこともたくさんありました。

けっこう名前も知られた紅型作家が京都から型を買って染めている人がいるという事実には驚愕しましたし、沖縄に供給されている糸に不満を持っている人が多いことも改めて確認しました。宮古上布の藍が琉球藍、インド藍、阿波藍を配合して使用している事も初めて知りました。

普段はのんびり、にこやかに仕事をしている皆さんですが、今回はさすがに様子が違っていて、将来の事を真剣に話し合いました。

日本各地に染織家はいますが、産地という基盤をもった伝統染織の場合、未来への道筋を付けなければならないという部分で個人の作家とは全く次元の違う意味を持っています。個人の作家なら、その技術は個人の物ですが、伝統染織の場合は、その産地の歴史・文化に根ざした公の物だからです。それは個では無く公や衆の力で営々と構築されてきたものなのです。それを今生きている私たちが絶やす事は出来ないのです。過去から未来へ繋がる長い伝統染織の歴史の1ページを担っているに過ぎないと強く認識せねばなりません。

その考え方からすれば、非常識で無責任な行動も多々見られ、伝統染織の灯は強い風にさらされています。

作り手は作り手として、商人は商人として、今何が出来るか?

今までの隆盛は、自分たちの力ではなく、先人の築きあげた功績を食いつぶしてきただけかもしれません。私たちが考えなければならないことは、食いつぶしてしまった遺産をいかに取り戻して、将来の担い手にバトンタッチするかです。

お金を稼ぎ、生活をしていく方法は染織以外にもたくさんあります。でも、私たちの勝手で、未来に生きる人たちから、この尊い仕事を取り上げていいものでしょうか。染織という仕事に携わる者全員が、誰のせいにするのではなく、自ら当事者意識をもって伝統染織の保存・継承を真剣に考えれば必ず路は拓けると想うのです。

この一年はどうやら激動期となりそうです。
私は、その中からまた立ち上がってくる沖縄の人たちのバイタリティーを信じています。そして、また、楽しく、朗らかに仕事をしている姿に会えると想っています。ずっとみんなで頑張りましょう!
Posted by 渡辺幻門 at 22:07│Comments(0)
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