オオサカジン

  | 羽曳野市

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2012年11月28日

漬け物の美味しい店

昔、あった話です。

ある地方で、古くてオンボロな店なんですが、なぜか気になるところがあって、入ってみたことがあるんです。

一緒に入った女性と、『なんか失敗したかもね』と話していたら、はじめにお茶と漬け物を出してくれました。

何気なく漬け物を食べてみて、二人で顔を見合わせました。

その漬け物、びっくりするくらい美味しいのです。

『これはもしかしたら、メインもいけるかも』と思い直して料理を待っていると、やっぱり、頼んだ料理も抜群に美味しかったのです。

私は日本中をあちこち行きますし、その場合はほとんど外食です。

経験上、漬け物の美味しい店はご飯その他の料理もおいしいし、長く商売を続けています。

なんでそうなるのかな?

と考えてみると、当然のことなんですね。

私はお茶と漬け物とご飯があれば他には何もいらない、お酒のアテも漬け物が一番という位の漬け物好きですが、漬け物というのは、漬ける人の味のセンスが出るんですね。

野沢菜なんかもそうですが、各家庭で少しずつ味が違うんです。それがほとんど『ちょっとしたひと工夫』で変わってくるんですね。

素材なんて大して変わらない。スーパーや市場で買ってきた、時期の野菜です。

手間ひまと工夫。

これが大事なんだと思いますね。

それができると言うことは、他のものも美味しいに決まっています。

そして何でもない素材を手間ひまと工夫で美味しくするのですから、よけいなお金がかかっていません。つまり儲かるということです。

美味しければお客は来るだろうし、それでいて儲かるのですから、長く続くのは当然です。

いくら美味しいと思っても、材料費がかかりすぎていたり、家賃が高かったり、回転率が悪いと店はすぐに立ち行かなくなります。

美味しい漬け物とご飯は毎日食べても飽きません。

ブームにもならない代わり、飽きられることもない。

私はブームというのが嫌いなんですよ。

今年の沖縄40周年は、わざと沖縄から離れていました。

あまのじゃくみたいですが、ブームというのは反面混乱でもある訳で、ブームの後には必ず衰退・荒廃が待っています。

そんな中で、よい仕事ができるわけないのです。

一発勝負、一攫千金を狙うならいいのかもしれませんが、私の場合は長く続けていかねばならないのですから。

別に彩りがよい訳でもない、ただのお茶うけとして出された漬け物が、その店の力を教え、食欲を引き出してくれるのです。

本当の料理人のちからというのは、よい素材を仕入れることでもなければ、きれいに盛りつけすることでもない。

なんの変哲もない素材を、手間ひまと工夫で安く美味しく食べさせることではないかと私は思うのです。

基本をおろそかにして、やれどこどこの牛肉だとか、やれキャビアだフォアグラだと言って、高い代金をとる商売は良さそうに見えますが、本当はあまり儲からないし、商売としても面白くないだろうと思うんですよ。




Posted by 渡辺幻門 at 19:21│Comments(0)
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