2011年08月01日
もずやと学ぶ染織マーケティング<第25回目>
8−2 競争が規定する産業の収益性
ここで書いてあることは簡単に言えば『なんぼええもんでも、いっぱいあったら値打ちがない』ということです。
よく売れてるように見えても、競争状態次第、つまり同じくらいの力量の競争相手がたくさんいたら、儲からないということです。
ここでは参入障壁についても書かれていますね。
沖縄染織の場合、技法等してはそれほど難しくないので、上手下手を抜きにすればどんどん作り手を増やすことが出来ます。
ちょっと前までの県をあげての大増産体制は、参入障壁の低さ=習得すべき技術の少なさを示しているとも言えます。
そして、材料が豊富であれば、さらに壁は低くなる。
芭蕉や手引きの苧麻はなかなか手に入りませんが、絹糸ならいくらでも売っています。
だから、久米島にしても読谷にしても大増産が可能になった。
一時的には織り手も潤い、県も組合も事業の成功に沸いたでしょうが、長く続くはずがない。
同じレベルの織り手がたくさん増えれば、その分、競争も激しくなるのです。
おまけに、和装市場は縮小していて、一つ売れたらそれだけ市場は狭まるという事になり、決して成長する市場では無かった。
少しでもまともに経済学を勉強した人ならば、そんな事はすぐに解るはずでした。
私は生産者よりも県、当時は振興センターでしょうか、その人たちがあまりにも無能であったと糾弾せざるを得ません。
案の定、伝統染織の中で唯一価格を維持していた沖縄染織も値が崩れてしまい、そこが見えない状況にまでなっています。
新たに育成された織り手は、『造れば売れる』というあまりにも甘い汁を吸ってきたために、『創意工夫』という絶対に必要なことを忘れてしまっている。
横並びの作品は、魅力が無く、いわばコモディティ化してしまう。
コモディティというのは穀物や鉱物の様に大きさや重さで値打ちが量られる品物です。
つまり久米島紬ならいくら、読谷山花織の帯ならいくら、というように、デザインや品質に関係なく相場で値付けされてしまう商品になったということです。
そして、需要は逓減する。供給は維持しようとあがく。さらに、消化されない流通在庫がぐるぐると回り続ける。
造れば売れて儲かる時代から、造っても造っても売れないし損をする、そういう時代になったということです。
最近、若い作り手さんから相談を受けることが多くなってきました。厳しい環境を知って、色々お聞きになりたいのでしょうが、基本的には染織だけでご飯を食べていくのは無理です。ましてや、一家を構えて、家族を養っていくことは出来ません。
なぜそうなっているかというと、需要の割には供給=作り手が多すぎるのです。ハンスアビングの『金と芸術』でも書かれていましたが、基本的に芸術も工芸=染織も超一流の人たちが利益を丸取りする世界です。名もない新人が入る隙間など普通に考えれば何処にもありません。
消費者はできれば人間国宝や重要無形文化財の作品を手に入れたい。そうでなければ、有名作家の作品が欲しい。
しかし、特に沖縄の場合、有名作家も新人作家も値段がそんなに変わらない。
2倍も3倍もしない、というのが現実です。
まして、有名作家の作品も仕入れ時点で値切られ、また、売られるときにディスカウントされる時代です。
ですから、お金が欲しいからやっている人や、才能が無いと想う人は、早々に撤退して他の仕事をした方がいいのです。
それが、ご本人のためにも、産地のためにもなるのです。
質の競争ならいいのですが、量の競争は、価値を低めるだけに終わります。
やる気が無いなら、やめましょう。
もし、染織が三度のご飯より好きだというなら、どうやったら、売れるのかを考えて、売れる品物を作る事を寝ても覚めても考えましょう。
売れない商品を垂れ流すことは、害毒でしかありません。
気持ちと根はあるけど、才能が無い、そんな人は助けることが出来ます。
そんな人に必要なことは、様々な自分を縛るこだわりを捨てることです。
消費者の喜びが自分の喜びであると心から信じられること。
これがなくては、状況は打開できません。
金へのこだわり、表現へのこだわり、伝統へのこだわり・・・
様々なこだわりが、行く手を阻んでいるのです。
売れなくてもいいから自分の好きな物を造るというのもいいでしょう。だったら、売れ残ったらタンスにしまっておきなさい。あるいは、自分で着るか、親戚や友達にもらってもらいなさい。
無理に金に換えようとするから、市場が崩壊するのです。
一端プロになったら、人間国宝も新人も同じ土俵です。私たち商人も一定の仕入れ枠の中で仕入れする。その仕入れ枠の中で、ベテランも新人も戦うのです。でも、必ず勝ち目はあります。どこで勝負をかけるのか。
それを考えるためには、自分の長所短所を客観的に把握しておくことが必要ですね。
ここで書いてあることは簡単に言えば『なんぼええもんでも、いっぱいあったら値打ちがない』ということです。
よく売れてるように見えても、競争状態次第、つまり同じくらいの力量の競争相手がたくさんいたら、儲からないということです。
ここでは参入障壁についても書かれていますね。
沖縄染織の場合、技法等してはそれほど難しくないので、上手下手を抜きにすればどんどん作り手を増やすことが出来ます。
ちょっと前までの県をあげての大増産体制は、参入障壁の低さ=習得すべき技術の少なさを示しているとも言えます。
そして、材料が豊富であれば、さらに壁は低くなる。
芭蕉や手引きの苧麻はなかなか手に入りませんが、絹糸ならいくらでも売っています。
だから、久米島にしても読谷にしても大増産が可能になった。
一時的には織り手も潤い、県も組合も事業の成功に沸いたでしょうが、長く続くはずがない。
同じレベルの織り手がたくさん増えれば、その分、競争も激しくなるのです。
おまけに、和装市場は縮小していて、一つ売れたらそれだけ市場は狭まるという事になり、決して成長する市場では無かった。
少しでもまともに経済学を勉強した人ならば、そんな事はすぐに解るはずでした。
私は生産者よりも県、当時は振興センターでしょうか、その人たちがあまりにも無能であったと糾弾せざるを得ません。
案の定、伝統染織の中で唯一価格を維持していた沖縄染織も値が崩れてしまい、そこが見えない状況にまでなっています。
新たに育成された織り手は、『造れば売れる』というあまりにも甘い汁を吸ってきたために、『創意工夫』という絶対に必要なことを忘れてしまっている。
横並びの作品は、魅力が無く、いわばコモディティ化してしまう。
コモディティというのは穀物や鉱物の様に大きさや重さで値打ちが量られる品物です。
つまり久米島紬ならいくら、読谷山花織の帯ならいくら、というように、デザインや品質に関係なく相場で値付けされてしまう商品になったということです。
そして、需要は逓減する。供給は維持しようとあがく。さらに、消化されない流通在庫がぐるぐると回り続ける。
造れば売れて儲かる時代から、造っても造っても売れないし損をする、そういう時代になったということです。
最近、若い作り手さんから相談を受けることが多くなってきました。厳しい環境を知って、色々お聞きになりたいのでしょうが、基本的には染織だけでご飯を食べていくのは無理です。ましてや、一家を構えて、家族を養っていくことは出来ません。
なぜそうなっているかというと、需要の割には供給=作り手が多すぎるのです。ハンスアビングの『金と芸術』でも書かれていましたが、基本的に芸術も工芸=染織も超一流の人たちが利益を丸取りする世界です。名もない新人が入る隙間など普通に考えれば何処にもありません。
消費者はできれば人間国宝や重要無形文化財の作品を手に入れたい。そうでなければ、有名作家の作品が欲しい。
しかし、特に沖縄の場合、有名作家も新人作家も値段がそんなに変わらない。
2倍も3倍もしない、というのが現実です。
まして、有名作家の作品も仕入れ時点で値切られ、また、売られるときにディスカウントされる時代です。
ですから、お金が欲しいからやっている人や、才能が無いと想う人は、早々に撤退して他の仕事をした方がいいのです。
それが、ご本人のためにも、産地のためにもなるのです。
質の競争ならいいのですが、量の競争は、価値を低めるだけに終わります。
やる気が無いなら、やめましょう。
もし、染織が三度のご飯より好きだというなら、どうやったら、売れるのかを考えて、売れる品物を作る事を寝ても覚めても考えましょう。
売れない商品を垂れ流すことは、害毒でしかありません。
気持ちと根はあるけど、才能が無い、そんな人は助けることが出来ます。
そんな人に必要なことは、様々な自分を縛るこだわりを捨てることです。
消費者の喜びが自分の喜びであると心から信じられること。
これがなくては、状況は打開できません。
金へのこだわり、表現へのこだわり、伝統へのこだわり・・・
様々なこだわりが、行く手を阻んでいるのです。
売れなくてもいいから自分の好きな物を造るというのもいいでしょう。だったら、売れ残ったらタンスにしまっておきなさい。あるいは、自分で着るか、親戚や友達にもらってもらいなさい。
無理に金に換えようとするから、市場が崩壊するのです。
一端プロになったら、人間国宝も新人も同じ土俵です。私たち商人も一定の仕入れ枠の中で仕入れする。その仕入れ枠の中で、ベテランも新人も戦うのです。でも、必ず勝ち目はあります。どこで勝負をかけるのか。
それを考えるためには、自分の長所短所を客観的に把握しておくことが必要ですね。
Posted by 渡辺幻門 at 23:20│Comments(0)
│染織マーケティング
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