オオサカジン

  | 羽曳野市

新規登録ログインヘルプ


2011年07月05日

もずやと学ぶ染織マーケティング <ティーブレーク>

テキストを持ってくるのを忘れたので、お休みにしようかと思っていましたが、今回はちょっとマーケティングがらみで

別の話を。

マーケティングではプッシュ戦略とプル戦略の二つがあります。

プル戦略というのは広告・宣伝・パブリシティなどを使って消費者の購買を促進する方法ですが、プッシュ戦略というのはまさに

『売り込む』戦略です。マンパワーで売る、ということです。

和装業界は強引な販売で問題になっていますが、私としては正直言って、そんな強引にやってよく売れるもんだ、と思っています。

強引にやればやるほど、お客様は逃げるか引くかしてしまわれるからです。

問題になった業者の販売手法を聞いたこともありますが、『えーそんなんで売れるの?』という感じです。

断り切れない優しいお客様が被害に遭われるのでしょうが、私とは販売の手法が全く違うので、理解する事もできません。

作り手のみなさんに、市場に出てこい、自分で売る事を学びなさい、と何度も言っていますが、それが出来ないのは、

やったことがない、やり方が解らない、自信がない、経費がかかる、というような理由からでしょう。

販売手法を学ぶには『ロールプレイング』という訓練方法があります。

たとえば、久米島紬なら、久米島紬を売るときのセールストークの流れを実践して学ぶのです。

これは、もずやの企業秘密なので詳しくはここでは書けませんが(^_^;)、大まかな流れはこうです。

金屏風・・・・・・商品の歴史的・文化的背景など、権威付けをするための話をする。

想定問答集・・・・消費者の質問を予想して、それに対しての適切な応答を出来る限り綿密に用意する。

クロージング・・・消費者の心理を読み取りながら、さりげなく(ここが難しい!)商談をまとめる。

展示会において、久米島紬が欲しいとか、琉球絣が欲しい、という明確な目的をもって来られるお客様はまれです。

沖縄の染織の中で、いいのがあったら買おうかな、買うなら帯がいいな、とか変わったのがあれば考えようかな、くらいです。

そこが、フォーマルの品物との大きな違いです。

礼装用の着物は、結婚式に着ようとか、叙勲のために着る着物をとか、成人式の振袖だとか、明確な着用シーンがある場合が多い。

しかし、カジュアルものはそうではない。趣味の物ですから、『もしいいのがあったら』であり、『買うつもりはなかったのだけれど』

という感じなのです。

まず、金屏風を広げてお客様に興味をもってご覧いただくための情報を提示する。

見てもらわないと、何も始まりません。

そして色々、見てもらって、気に入った作品を見つけてもらう。

この段階に入らないとお客様との真剣なやりとりは始まりません。

気に入った作品があって初めて、お客様は必要な質問を投げかけて来られます。

それに対して適切に、正確に、自信をもって答えられなければ、成約には結びつかない。

作品に対してだけでなく、着物全般に対しての質問も受け答えせねばなりません。

また、コーディネートやTPOなども必ず聞かれます。

ありとあらゆる知識を詰め込んでおかないといけないし、そうしないとご満足はいただけません。

そして、あとは空気を読む。

ここは、そのセールスのセンスです。センスというのは天分=才能ということです。

お客様が作品を気に入っていらっしゃらないのに、ゴリゴリ押す販売員はセンスがないからそうなるのですが、

バブル期ならいざしらず、いまは気に入らない作品を買われるお客様はいらっしゃらないと思います。

クロージングというのは、そういう空気を絶妙に読み取って、和やかに商談を終了させる一連の流れなのですが、

こればっかりは、教えられないというか、体得することと、それこそセンスの問題なのです。

細かい販売の技術というのをここで書いて誤解を受けても困りますので(^_^;)、このくらいにしておきますが、

若い作り手さんなら、すぐに体得できる人もいると思うのです。

すぐれた販売技法というのは、なにもだまくらかして売るためのものではなくて、必要な情報を十分にお客様にお伝えして、

ご満足いただいた上で、購入していただくために必要不可欠なことなのです。

見せ方や語り方、話の進め方、などなど、販売というのは非常に奥が深いのです。

もちろん、生まれながらにして天分に恵まれた人もいます。

私は天才と呼ぶにふさわしい販売員を何人か知っています。

でも、そんな特別な才能を持っていなくても、お客様にご満足いただいて買っていただける販売員にはなれるのです。

作り手を支援する活動の一環として、ご希望があれば、私が先代から伝授されたノウハウをお教えしてもいいと思っています。

どうやって売るかを考えれば、そこから、どう説明したら消費者の心をつかめるのかが浮かび上がってくると思います。

そうすればおのずと、どういう作品をめざせば良いのかが解るはずです。

まずは、『商』という行為に興味を持つことです。

身近にある品物を見たときに、自分ならどうやって説明して売るか、考えてみるのです。

お友達がいれば、販売員と客になって、練習してみる。

それを、体系化、標準化したものがロールプレイングです。

ぜひ、実践してみてください。

同じカテゴリー(染織マーケティング)の記事画像
もずやと学ぶ染織マーケティング<紅葉狩>
同じカテゴリー(染織マーケティング)の記事
 もずやと学ぶ染織マーケティング<40回目> 【最終回】 (2011-12-07 13:10)
 もずやと学ぶ染織マーケティング<39回目> (2011-11-29 21:26)
 もずやと学ぶ染織マーケティング<38回目> (2011-11-23 18:19)
 もずやと学ぶ染織マーケティング<紅葉狩> (2011-11-16 21:00)
 もずやと学ぶ染織マーケティング<37回目> (2011-11-08 11:52)
 もずやと学ぶ染織マーケティング<36回目> (2011-11-02 11:57)
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。