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2011年04月26日

もずやと学ぶ染織マーケティング<15回目>

5−2 規模と経験の効果

ここでは規模の経済と経験の蓄積による効率性向上について書かれています。

まず、規模の経済について。

前述したとおり、伝統染織に於いては、最早、規模の経済は発揮されない、というのが私の見解です。その理由は以下の通りです。

1. 市場が成熟している。
2. 市場が飽和し、供給過剰である。
3. 顧客の嗜好が高度に多様化している。
4. 生産コストが生産規模に比例して下がらない。
5. 染織品は一種の耐久消費財である。
6. 効率化は実現できても、それと反比例して効果性が下がる可能性がある。

生産規模を大きくしてもコストはさほど下がらない。生産拡大によってある程度の効率向上が得られたとしても、その生産量を受け入れる市場がない。市場は狭く、飽和し、また細分化されている。細切れになった極小な市場に拡大した生産量の商品を投入すれば、供給過剰が更に進み、価格は下がる。それを無理に続ければ生産コストに見合わないほどの価格になり市場は崩壊する。

市場が崩壊してどうなったか。中古市場の出現です。中古市場の出現は耐久消費財であればこそ可能となります。

つまり、和装市場の価格崩壊は、規模の経済を狙った生産拡大から、中古市場の成立へと繋がっているのです。

規模の経済への盲信が高付加価値文化商品を死に追いやりつつあると言うことです。

では、どうすればいいのか?

適切な市場規模をはかり、適正な価格で高付加価値の商品を送り続ける事です。

この章の著者は誰かは解りませんが、もしかしたら経済学者からの転身か、逆に経済学を学んでいない人かもしれません。お役人やマーケティングの素人が読めば、首肯するかもしれません。しかし、すべての理論がそのまま当てはまらない、それがマーケティングを学び、考える原点なのです。


とくに、高付加価値商品や、文化的商品の場合は効率性より効果性に分析の重点が置かれるべきです。

つまり、量より質ということです。

ここを大きく踏み間違えた結果が現在の状況であると私は思います。


経験効果については、こういう記述があります。

○ 規模の経済性や経験効果が働く事業では『市場シェアの拡大を至上命令とする時期』と『市場シェアの拡大よりも利益を追求する時期』とに分けて事業戦略を考える必要がある。


まさにそういう事です。

伝統染織においては、すでに後者の状況に入っているし、産地という物の存在が経験効果を十分に補っています。一人でぽつんと染織をやっているよりも、産地で情報交換をしながらやっているほうが、効率がいいのに決まっています。

経験効果は産地がもっている財産である、ということです。

その上にいかに効果性、つまり品質と感性を載せて、適正価格のものを適正量売るかということなのです。

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